動脈硬化&脳梗塞

動脈硬化&脳梗塞

動脈硬化&脳梗塞 :執筆者 秋山真美先生

コレLABO運営者:動脈硬化が起こると血流が悪くなりさらに脳梗塞の危険性も非常に高まると聞きました。
この症状、要因について教えてください。

秋山先生:生活習慣病に集約されていると思われます。
動脈とは本来しなやかで収縮自在に拡張したり縮小したりするチューブのようなものです。心臓からの酸素と栄養に富んだ血液を、末梢の様々な細胞まで届けるために、柔軟に広がったり縮んだりして調節してくれるものです。動脈硬化はその名の通り、動脈が硬化する、すなわち硬く変化してこの柔軟性が失われてしまうことをいいます。
コレステロール値が上昇すると、血液中の悪玉コレステロールと言われるLDL—コレステロールや中性脂肪が増えるあまり、余分な脂質が動脈の壁に溜まっていきます。それを「プラーク」と言います。コレステロール値が高いままだと、そのプラークはどんどん厚くなって行きます。分厚くなればなるほど、動脈の壁はしなやかさを失い、硬くなり、血液が体の各組織に届きにくくなります。
また、柔らかいプラークの一部が壊れたり、破れたりすると、破損部分を修理するために血小板という血液中の成分が集まって来て血栓という塊をつくります。その血栓が血流を妨げてしまったり(狭窄)、詰まってしまったり(閉塞)、血栓が剥がれて血流に乗って他の血管を詰めてしまうことがあります(塞栓)。それが、心臓の血管なら心筋梗塞、脳の血管なら脳梗塞なのです。
注意するべきは、動脈は人間の体のどこにでも存在する無くてはならない血管だという事。つまり、動脈硬化はどの動脈でも起こりえて、あらゆる全身の臓器に悪影響を及ぼす可能性があると言う事です。
前述した脳梗塞は、半身の麻痺やろれつが回らない、言葉がはなせない、顔面が歪む、などの症状をおこします。心筋梗塞は、胸を締め付けられるような胸痛、不整脈、心不全などを起こします。誰もが知っているこのような病気だけではありません。これら以外にも、足の動脈なら閉塞性動脈硬化症といい、足が冷たくしびれたり、長時間歩けなくなったり、ひどいと足の指に血流がいかないため壊死(腐ってしまう)を起こします。腎臓へ行く動脈ならば、そのせいで酷い高血圧になったり、腎機能が失われます。眼の網膜の細い血管に起きて網膜症を起こし、眼がみえづらくなることもあります。
さらに注意しないといけないのは、一度おこった動脈硬化は無かった事にできない、という事。いくら医療が進歩しようとも、根本的になかったことにする都合のよい治療はないのです。基本的には進行を阻止する、というのが治療の中心になります。
動脈硬化は早い段階では全くの無症状です。だから健康診断で指摘されても症状がないから大丈夫、と思い放置してしまう人も多いのです。舐めてかかると、あるとき突然取り返しのない状態=病気になるから怖いのです。動脈硬化性の病気を数多く診察している私ですが、そういった患者さんを本当に多く見てきました。ちゃんと管理していたら、こんな病気にならずにすんだかもしれないな、と思う事ばかりです。だからこそ、日頃からの予防が大切とよく言われるのです。

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