成分に関する質問

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Q飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の違いを教えてください。

kogure222

まず、脂肪酸についてご案内します。
脂肪酸とは、脂質の材料になる化学物質のことです。具体的には酪酸、カプリル酸、パル ミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等などのことで、よくメディアで耳にするEPAやDHAというのは、実は脂肪酸のカテゴリーなのです。
では、どんな構造かと言うと、『炭素が何個もつながった構造』の端っこに『カルボキシル基』という特別な構造がくっついた形をしています。『カルボキシル基』は脂肪酸の共通構造であるため、EPAやDHA、オレイン酸など各々の違いはカルボキシル基以外の『炭素が何個 もつながった構造』の方にバリエーションが生まれることによって、定義されます。

sibousannkouzou

では次に『飽和』『不飽和』とはどういう意味でしょうか。
ここから先は高校化学の知識がメインとなるため、少なからず取っ掛かりにくさを感じるかもしれませんが、次の質問、一価・多価の概念を理解するためにも、ここは覚えなければなりません。
炭素は、基本的には4つ手を持っています。4つの手が他の誰かときちんと手をつなぐことで構造が安定化し(共有結合と呼ぶ)、様々な有機化合物を作り出します。ですが、時に手が余ってしまうことがあります。それまで手をつないでいた水素と手を離してしまう場合などです(この反応を酸化と言います。少し専門的になりますが、酸素の出入りはなくとも電価換算上、化合物全体の電価が上がるので酸化になります)。この炭素の余った手で、炭素同志 でもう一本手をつないでしまうことがあります。これを二重結合と呼びます。
yuukikagoubutuno
この二重結合が、脂肪酸の構造の中に組み込まれているかいないかが、不飽和・飽和の根拠になります。二重結合を持たない場合を 『飽和脂肪酸』、二重結合を持つ場合を『不飽 和脂肪酸』と呼んでいます。
よく耳にする必須脂肪酸というのは「リノール酸」「リノレン酸」「アラキドン酸」のことで、体内で合成されない生体には必要な脂肪酸を指しますが、その他EPA、DHAなども含め『不飽和脂肪酸』に分類されます。

Q一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸の違いを教えてください。

kogure222

価というのは、一つ前のQで説明した二重結合の数を表しています。 二重結合がひとつであれば一価不飽和脂肪酸、2個以上であれば多価不飽和脂肪酸と呼ばれます。

厚生労働省は、「日本人の食事摂取基準」を定期的に発表しています。最新版は2015年度版(その前は2010年)です。健康増進法(平成14年法律第103号)第30条の2に基づき厚生労働大臣が定めるものとされ、国民の健康の保持・増進を図る上で摂取することが望ましいエネルギーと栄養素の量の基準を示すものです。
この「日本人の食事摂取基準」は2005年度版が最初に策定され、それ以前は、1970年より「日本人の栄養所要量」として公表されていました。最終版の「第6次改定日本人の栄養所要量」内には、

「『飽和脂肪酸』『一価不飽和脂肪酸』『多価不飽和脂肪酸』の望ましい摂取割合はおおむ ね3:4:3を目安とする」
「n-6系多価不飽和脂肪酸とn-3系多価不飽和脂肪酸の比は、健康人では4:1程度を目安 とする」

と掲載されています。
この、よく耳にする脂肪酸の分類『n-3系』や『n-6系』とはどういう意味なのでしょうか。

脂肪酸の系統分類『n-3系』『n-6系』等について説明します。以下、リノール酸で説明します。

まずリノール酸(n-6系)は、炭素が全部で18個(6+3+8+1)連なった構造をしています。そして、①と②の位置に二重結合が存在します。左から数えて6番目の炭素に最初の二重結合がありますね。これがn-6の『6』が意味するところです。脂肪酸においては、二重結合が何個あろうとも、左から数えて1番目の二重結合(つまり①)がとても重要なのです。
では「n」は何なのか。「n」は炭素の合計数を表しているので、リノール酸の場合、n=18となります。つまりn – 6 = 18 – 6 = 12となります。よって「12」つまり「n-6」は、 ①の二重結合を構成している炭素を右から数えた場合、12番目がそれに当たることを表しているのです。

sibousannkeitou

『n-3系』『n-6系』等の系統分類がお分かり頂けたと思います。α-リノレン酸、EPA(エイコサ ペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)等は「n-3系」に属し、リノール酸、γ-リノレン酸等は 「n-6系」、オレイン酸は「n-9系」に属します。
昨今、不飽和脂肪酸の摂取を勧めるプロパガンダが横行する一方で、不飽和脂肪酸の発癌性を示唆するような研究もあり、消費者としては戸惑うばかりです。リノール酸摂取量の増加は、癌リスクを増加させるのではないかという危惧があったものの、研究データでは、少なくとも、乳癌、大腸癌、前立腺癌の発症とは関連していないことが示されています(Am J Clin Nutr 1998; 68: 142‒53)。

科学である医学は日進月歩であり、昨年のセオリーが今年に入って否定されることもしばしばです。メディアによる情報収集も大切ですが、一番大事なのは必要以上に情報に振り回されず、バランスの良い食事を摂ることです。
某テレビ番組で『納豆がいい』と宣伝されれば、翌日のスーパーマーケットにて、納豆が棚から姿を消すのを経験されたことがあると思います。「DHAが良い」「EPAが大事」「魚がいいらしい」等、インターネットで検索すればたくさんのホームページにおいて簡単に情報は得られますので、各栄養素に関する情報はそれらのホームページに譲りますが、当ページをご覧になっている皆さまにお勧めするのは、前述の通り、継続可能な食事のバランスです。

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